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1998年度 ケニア共和国(ガリッサ地区)大水害緊急支援事業


事業目的

世界各地に異常気象を起こしたエルニーニョ現象のため、1997年10月から1998年1月にかけて、ケニア共和国・ソマリアなど東アフリカ一帯に大雨が降り、大洪水に襲われ、我々の想像を絶する被害をもたらした。
ケニア共和国内においても、ソマリアと国境を接するガリッサ地区の被害は深刻であり、行政・住民・NGOなど関係者の必死の努力にもかかわらず、1998年4月現在、災害復興はほとんど進んでいない。
ガリッサ地区の人口70%にあたる約160,000人が被害を受けた。家屋に関しても6,000戸が被害を受け、そのうち2,000戸の被害は莫大である。小学校の被害も深刻で、教科書・教材が流失し、様々な施設が物理的な打撃を受けた。100%の農場が損壊し、80%の家畜が失われた。

元来、このガリッサ地区は、医療・衛生水準が低く、教育面でも立ち遅れが目立っている地域であり、長年、大干ばつに苦しんでいた。それ故、水害への備えも不十分であり、それが大きな被害をもたらしたといえよう。被災直後から、種々の伝染病が流行したが、コレラなどはすでに沈静化しているものの、マラリアに関しては現在でも流行が続いている。マラリア治療薬の消費量を見ても、大雨前に比べて約7倍に増えており、マラリア対策が焦眉の急となっている。

1997年に緊急支援した診療所が、今回の伝染病治療には大きな効果を発揮した。
しかし、まだまだ充分ではなく、診療所として設備の充実や医薬品・医療品等の援助を通してマラリアの沈静化を図ることが緊急に必要である。



実施プログラム

ケニア共和国 北東州 ガリッサ県 ガリッサの大水害に対しての緊急支援事業として、下記のプログラムを実施した。
 マラリアの治療薬および医療器具を支援した。
 1997年に事業として建設した診療所が手狭なため検査室を増築し、機能の充実を図った。
 医薬品を保存するための冷蔵庫を支援した。
 冷蔵庫に必要な電気を供給するためのソーラーシステムを設置した。



緊急支援物資リスト


 冷蔵庫   135リットル(70W)

 診療所検査室    1棟


 医療品・医薬品

ファンシーダール(1箱250錠) 40箱
綿花 500g 30ヶ
包帯(9cm×9m 10個入)  6箱
包帯(5cm×9m 10個入) 12箱
紙バン 10個入   5ヶ
医療用手袋 500ヶ
注射器(5cc・針付) 500ヶ

 検査用具

顕微鏡 1
遠心分離器 1
血糖値測定器 1
血糖値測定試薬(25本入) 12
血液検査用具一式 1
腸チフス検査用具一式 4
妊娠検査用具一式 4
性病検査用具一式 4
マラリア検査試薬(500ml) 12
分解用塩化水素酸 11
貧血検査試薬 11
試薬品を置く台 1
試験管立て 1
試験管 10
試験紙(50枚入) 12
ピペット 4
スライドカバー 300
スライドガラス 300
アプリケーター 100
検便用容器 500

 ソーラーシステム設置材料

冷蔵庫設置用設備
 ・10A   レギュレーター 1
 ・70W  ソーラーパネル 4
 ・100A  管状バッテリー 4
 ・800W  インバーター 1
その他備品
 ・4muコード(10m) 1
 ・205muコード(100m) 1
 ・9W  電球 1
 ・11W 電球 1
 ・電球ソケット 1
 ・スイッチ 1
 ・ソケット 1



フォト

◇建設は順調に進んでいます(1998年6月)


メディナ村診療所検査室の
建設風景







◇診療所検査室が完成しました(1998年7月)



作業風景







検査室 完成(全景) 検査室 完成(正面)

ソーラーシステム 完成 トイレ 完成







贈呈式

記念プレート

記念プレートの裏

支援物資の一部(医薬品・医薬備品)







お礼にもらった山羊





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